2026年のD2C市場は本当に厳しいのか?苦戦の裏で売上を伸ばす企業の共通点
2026.8.7 カテゴリ:転職ノウハウ
※画像はイメージです。
2026年のD2C市場は、広告費の高騰や薬機法改正などの影響で「勝ちにくい市場」に変化しつつありますが、市場全体の停滞とは対照的に売上を大きく伸ばす企業も存在します。その差を生んでいるのは「商品力の一点集中からの多角化」と「データ・AIを活用した運用効率化」の2つです。本記事では実在企業の最新決算データ(社名は伏せています)を基に、厳しい市場環境でも成長する企業の共通点を解説します。
この記事でわかること
- 2026年のD2C市場がなぜ「厳しい」と言われているのか
- 市場が停滞する中でも成長している企業の実例(2社)
- 苦戦する企業と成長する企業を分ける共通の要因
- EC・D2C業界で働く・転職を考える人が知っておくべき視点
なぜ2026年のD2C市場は「厳しい」と言われるのか?
Web広告費の上昇による顧客獲得コスト(CPA)の悪化と、薬機法などの規制強化が主な要因です。日本国内のD2C市場規模自体は2026年時点で約3兆円規模まで拡大したとされていますが、成長の裏側では新規顧客の獲得効率が年々悪化しており、広告費をかけても以前ほど売上が伸びない構造的な問題が指摘されています。加えて、機能性表示食品や化粧品分野では表示規制や成分に関する報道の影響を受けやすく、一時的な業績下方修正に至るケースも見られました。
- 広告費の高騰:SNS・リスティング広告のCPAが年々上昇し、新規獲得コストが利益を圧迫
- サブスク疲れ:定期購入モデルの解約率上昇により、LTV(顧客生涯価値)が想定より伸びにくい
- 規制・レピュテーションリスク:機能性表示食品や化粧品業界での成分・表示に関する報道が販促活動に影響
- プラットフォーム依存の限界:楽天・Amazon等のモール依存度が高いと、規約変更や競合増加の影響を受けやすい
厳しい市場環境でも売上を伸ばした企業の実例
市場全体が伸び悩む中でも、直近の決算データ上で明確な増収増益を達成している企業が存在します。以下は実在する上場企業2社の公開決算情報(直近本決算)を基にした事例です(社名は伏せています)。
事例A:機能性表示食品・化粧品を展開するD2C企業
主力商品に続くヒット商品の育成に成功し、直近本決算の売上高は前期比約21%増となり、過去最高を記録しました。この企業は機能性表示食品と特許技術を活用した化粧品の2軸を展開しており、以前は単一の主力商品が売上の7割以上を占める「一点突破型」でしたが、直近ではセカンドブランド・サードブランドが大きく成長し、収益構造の多角化が進んでいます。自社EC・ECモール・卸を含む全チャネルで前年を上回る販売を実現し、経常利益も前期比で大きく回復しました。
事例B:AI活用型の美容D2C企業
自社開発のAIマーケティングシステムを活用し、直近本決算の売上高は前期比約107%増(約2倍)を達成しました。この企業はスキンケアブランドを主力に、美容機器ブランドが約2.9倍に急成長、さらに新規投入したヘアケアブランドも発売直後からランキング上位を獲得するなど、複数ブランドが同時に成長を牽引しています。広告最適化・CRM・需要予測・カスタマーサポートまでを一貫して自動化するAIシステムを核にしており、著名人起用によるブランド力強化と量販店チャネルの拡大も成長を後押ししました。
成長企業と苦戦企業を分ける共通の要因
| 観点 | 苦戦する企業に多い傾向 | 成長する企業に多い傾向 |
|---|---|---|
| 商品戦略 | 単一商品に依存し、成長が鈍化すると業績が停滞 | 主力商品の強みを維持しつつ、複数ブランドで多角化 |
| マーケティング | 広告出稿量に依存した獲得戦略 | データ・AIによる広告運用の最適化とチャネル拡大 |
| 組織・体制 | 業務プロセスが属人化・非効率 | 受注・CRM・物流までシステムで一元管理 |
| 生産性 | 人員増加に依存した事業拡大 | 従業員一人当たり売上・利益率が高い |
よくある質問(FAQ)
Q. D2C市場は今後も厳しくなっていくのでしょうか?
市場全体としては広告費の高騰など構造的な課題が続くと見られますが、商品力とデータ活用に優れた企業は今後も成長を続けると考えられます。市場の成熟に伴い、単純な広告出稿による顧客獲得モデルから、AIやCRMを活用した効率型のモデルへの転換、さらに単一商品依存からの多角化が進むと予想されます。
Q. D2C業界への転職を考える際、企業選びで何を見るべきですか?
売上規模だけでなく、主力商品の強さ・複数ブランドの育成状況・従業員一人当たりの生産性を確認することをおすすめします。決算資料や有価証券報告書が公開されている上場企業であれば、成長性や収益構造を客観的に確認できます。
Q. AIを活用したマーケティングの知見は転職市場で評価されますか?
はい、広告運用の最適化やCRM施策にAI・データ分析を組み合わせた経験は、D2C業界で特に高く評価される傾向があります。今後、こうしたスキルセットを持つ人材の需要はさらに高まると見られます。
2016年、株式会社出前館へ転職。マーケティング部のリーダーとして、サービスの急成長期における戦略立案から実行までを牽引。結婚・出産を経て、2022年4月より株式会社ニュースターに参画。
現在は、候補者と企業の間に立ち、面接調整や選考の進捗管理を一貫して担当。「スピーディーかつ丁寧な対応」を信条に、事業会社の現場を知るからこその細やかなサポートで、ストレスのない円滑な選考プロセスを支えています。新規候補者獲得に向けたウェブ施策の企画・実施も担当。マーケティング視点でサイト運営を通じて、EC通販キャリア人材とEC通販企業の出会いのチャンス、ご縁作りに取り組んでいる。



