株式会社エレファント 山口 武社長 インタビュー

2022.9.15  カテゴリ:d2c企業インタビュー

株式会社エレファント 山口 武 社長と、奥様でありブランドマネージャーの愛子さん

〇目次

・開発動機がない商品はやらない

・想い、コンセプト

・外部と長いお付き合いのできるスキル

・「攻め」と「守り」

開発動機がない商品はやらない

-まずは株式会社エレファントについて、どのような会社か求職者向けにお話しいただきたいです。

僕自身の子供の肌が弱く、皮膚科クリニックに通っていたことが「開発動機」になって始めたBtoCの通販事業を中心とした会社になります。その商品が「nicoせっけん」です。

弊社は、企業理念だとかビジョンを持たない会社ですが、「開発動機」のある商品しか扱っていないので、その商品の向かうべき道は明確にあります。

BtoC だけではなく、BtoBの通販コンサルティング事業もしています。

通販を立ち上げたい中小企業様専門のコンサルティングを行っています。

BtoBの方でも、できれば良い商品の企業様のコンサルティングをしたいと思っています。

良い商品というのは、品質が良いというプロダクト思考ではなくて、顧客目線の商品開発を考えている企業や、今はBtoCの通販をする余力がないのだけど、「こういう商品を作りたい」という想いのある方の支援をしていきたいと思っています。

BtoCでもBtoBでも、コンセプトがかなり強めの会社ですね。

-ありがとうございます。「開発動機」という言葉が御社のキーワードですね。

はい。「開発動機」がない商品はやらないです。

「開発動機」がしっかりあることが、CPOの低さ、継続率の長さに繋がっていき、LTVの長さも含め、結果として数字に表れます。

-なるほど。

本当にBtoCの通販事業で成功する為には、「商品力」が全てと言っても過言ではありません。

商品の「開発動機」がしっかりあれば、結果的に利益もしっかり確保できる事業になっていきます。言葉ではわかっていらっしゃる方は多いと思いますが、実体験しないと本当にわからないと思います。

-「開発動機」が本当に重要になってくるのですね。

はい。3~6ヵ月でピークが過ぎてしまうような商品を扱うBtoCの通販の企業は、次から次へと商品を開発し続けていきますよね。

その中でCPOがどんどん上がり、LTVがどんどん短くなっていくと、もうそういった乱暴なやり方は出来なくなっていくと思います。

-経営が回らなくなっていきますね。

弊社の「nicoせっけん」だとか「neco-ri」は想いから生まれた商品です。

弊社は、売上や利益優先ではなく、しっかりとした「開発動機」のある商品を生み出して、1人でも多くのお客様の人生がよりよく変わっていったら、それが非常に嬉しいと思っています。

想い、コンセプト

-ありがとうございます。山口社長が一緒に働きたい社員像はありますか。

やりたいことが明確な方と働きたいです。「こういう商品があったらいいな」という「開発動機」がある方が良いですね。

例えて言うと、デモテープを送られる事務所側の感覚というか…そういう方たちっておそらくたくさんいらっしゃるはずで。

できればビジネス目的ではなくて、「自分はこういう商品を作りたい」という想いを持っている方にいらしていただけたらベストですね。

先述しましたが、弊社の「nicoせっけん」だとか「neco-ri」は想いから生まれた商品になるので、想いがあるかどうかは大きな指標になります。

-BtoB事業の方でも「想い」は重要な指標になりますか。

そうです。BtoB事業でも、「こういうコンサルでやりたい」だとか「こういう代理業をやりたい」とか、想いのある方に入っていただきたいです。僕自身もそうだったので。

僕も、サラリーマン時代にBtoBの通販のコンサルティング企業にいた経験があるのですが、「想い」の部分で合わなくて辞めた経験があります。

当時の会社の方針が、ビジネス志向が強いというか、クライアントは大手企業志向で、言い方が悪いですが…お金がある通販企業から、どれだけおこぼれをもらうかというような方針のように感じていました。

僕は、既に成功して儲かっている会社からお金を貰うのではなく、中小企業や立ち上げの会社の支援をやりたかったのです。

当時、立ち上げの企業からコンサルティングの相談が来ても、「儲からないからやめろ」という方針もあったので、「想い」の部分が全くあっていませんでした。

-「想い」の一致が重要ですね。

はい。僕自身、逆転の支援をしたいと思っていて。

大企業などで規定のルートに進んでいる人は、支援する必要がないと思ってしまうのです。

当時、BtoBの通販のコンサルティング時代に大企業の支援をしましたが、本気を感じられず、それが嫌で。

お金持ちのオーナー企業の支援もしましたが、それもどちらかというと「次は何が当たる」だとか「次はいくら儲かる」という話ばかりだったので、僕はそこに大きい違和感を感じて、方針が合わずに独立をした経緯があります。

-そうだったのですね。

なので、やりたいことが明確な方で、弊社のコンセプトに合った方と一緒に働きたいです。

外部と長いお付き合いのできるスキル

-ありがとうございます。スキルや経験でいうといかがでしょうか。

スキルと想いでいうと優先順位は、「想い」が上です。次にスキル。

やはり、スキルがないと「想い」を実現できないので。「想い」だけあって、「あとは山口さん全部お願いします」と言われても、最初は良いですが、困ります。

今の弊社は、起業当初と比べて資金があるので、プロに外注することは可能です。

けれども、お金だけの外注は続かないものです。1~2年で関係が終わってしまう。

自力がある人にしか、外注の方もついてきてくれないのです。

例えば、プロスポーツ選手も、 現役時代にすごかった監督の方が ついていけるように思いませんか?(笑)

お金ではない、監督へのリスペクトだったり、監督自身が現役時代に、大変だったことを経験して知っている人で、選手に対して気遣える人だからついていくのですよね。

-なるほど。

弊社の「nicoせっけん」もそうで、私や妻がアトピーの子供を持ったことを知っているから、お客様は購入してくれて、続けてくれている方が多いように思うのです。

話が逸れてしまいました笑

まとめると、想い優先のスキルがあるか、 もしくはスキルを身につけようと意欲的な方、スキルが欲しい理由は、外注先や周りにリスペクトしてほしいからです。

-スキルをもう少し具体的にお話いただけますか。

はい。例えば僕自身、お客様からの電話を受けていたことがあります。

今外注でお願いしているコールセンターにはだいぶご無理をお願いしているのです。

そのコールセンターの社長さんは、僕自身が紙の広告を作って、コールを受けていたのをご存知なのです。僕が解約の電話を受けていたり、苦労していたのを知った上で、ご無理を聞いてくれています。

もちろん、僕もコールを受けた経験をもとにお願いをしているので、無理なコミュニケーションをお願いしているのではなく、電話を受ける方がわかりやすいように単純化したりだとか…自分の経験をもとにお願いしています。

そういうのをスキルと言うのかわかりませんが、手を動かしたことがある経験がある人は、外注先や周りとも長い関係を築けると思っています。

-なるほど。既にご自身で手を動かされた経験ですね。

はい。広告をきれいに作れるかどうかではなく、自分で例えばエクセルでも良いからバナーを作ろうとしているかだとか、

LPも手書きでも良いから一生懸命書くかどうかだとか…

やはり、書いた人、作った人だけがわかる苦しみがあるから、わかる人でないと書けない表現もあるし、わかっている人でないと外部のプロの方達は何年もついてきてくれないと思うのです。

-なるほど。

社内もそうですよね。口だけの社長の下で長い間みんなが働き続けるかと言ったら、続かないですよね。営業の苦労をわからない人に、営業の数字を詰められるのは嫌ですよね。

そういう意味で、スキルのある方や、 これからスキルを身につけていくことをいとわない方に入社していただきたいです。

-ありがとうございます。性格的にはどういった方が良いとかはありますか。

話をするのが好きな方が良いですね。事業をする時は、直接話さなければいけない場面が多いので、それを厭わない方が良いです。

引っ込み思案でも、恥ずかしがりやでも良いのですが、コミュニケーションが取れない方は難しいです。

攻めと守り

-これからのエレファントの展望についてお話いただけますか。

今後の展望は、「攻め」と「守り」の2つあります。

まず「守り」の方は、「nicoせっけん」と「neco-ri」の2商品を、国内だと卸を開始したり、海外に販路を広げていくことです。

今の通販はInstagramを中心に販売展開していますが、これがいつまで続くのかわからないので…もしかしたらこの1年で終わってしまうと思っています。終わる前提で動いています。

-終わるとはどういうことですか。

例えば、急にInstagramやインスタグラマーに規制が入る可能性も0ではないですよね。

何があるかわからないと思っているので、だから「守り」思考になるのですけど。

-海外というのは、一見「攻め」に感じますが。

はい。日本国内で販売が出来なくなってしまった時の為でもあるので「守り」ですね。

今は台湾で販売しています。台湾は既に成立していて、台湾だけで今期数億の売上規模になりました。

-すごいですね。

さらに「守り」の方では、「neco-ri」でも「nicoせっけん」と同様にやりたいと思っています。「neco-ri」も通販だけでなく、卸だとか海外に展開していって、経営として安定させていこうと思っています。

-「攻め」の方はどういった展望をお持ちなのですか。

「nicoせっけん」の延長で病院を経営したいと考えています。

-病院ですか。

はい。肌のクリニックです。今、水面下では進めていて、ビルを設けて、クリニックを開業しようと動いています。

開業といっても、私は医者ではないので、皮膚科の先生を雇わせていただいて、肌のクリニックの経営ですね。それをしたいと考えています。

これは構想中ですが、今のオフィスに近い浦和付近にビルを構えて、4階が事務所、2階が小児皮膚科で3階が猫専門病院…に出来たらと思っています。

-すごいですね。病院を経営しようとした「想い」は。

はい。「nicoせっけん」をやっていてとても気になることがあって。

「nicoせっけん」だけでよくならなかったお客様もいるのです。そういった方がどうしても気になってしまって…

あとは電車の中や街中で、顔に湿疹が出来ている赤ちゃんを見かけることがあって、

思わず「nicoせっけん」を渡したくなるのですが…。

ただ、本当にアトピーが酷い子は、渡しても本質的には解決に繋がらないかも知れないな…とも思って葛藤することがあって。

うちの子供も、皮膚科に何度も連れて行きましたが、結局ステロイドを処方されて終わりなのです。それでも一時的な解決には繋がりますが、本質的に良くならない子もいて。

そういう人達に向けて、何かをやることが弊社らしいのだろうなと思うのです。

-なるほど。

うちの会社は「nicoせっけん」が売れたから、卸で棚を確保したりだとか、何か別のクロスセルの商品を販売したりすることはやりたくなくて。

-そうなのですね。

それは自分思考だからです。お客様から求められていないことや、お客様の悩みの解決に繋がらないことは絶対にやらないと決めています。中には、お客様に求められてもやらないこともあります。

-揺るがない御社のコンセプトですね。

自社の売上ではなく、先ほども話した、電車の中の顔に湿疹が出来ている赤ちゃんの為になることをやりたいなと。

乳幼児のアトピーの原因は大人よりも絞られているように思うのです。なので、例えば医学部と共同研究して原因を特定できないか…その為にお金を使うことを考えています。

共同研究する時に、被験者が必要になってくるので、クリニックの患者様になっていただくことなども既に考えています。

あとは、子供って夜中とか週末に調子が悪くなったりしますよね。

それなのに、クリニックがやっていない。

-そうなのですよね。

それって変だなと思っていて、そこもケア出来るクリニックにしたいなと思います。

既に世の中にあるクリニックをうちがやるのは意味がないので、弊社にしか出来ないクリニックが出来ないかを模索しています。

それが「攻め」の戦略です。

-ありがとうございます。最後に、創業から社長の変わらない想いみたいなものはありますか。

創業時はBtoBの通販コンサルティング事業がメインでしたが、

中小企業の立ち上げの企業を本当に0から、自分が手を動かしてフォローをしながらやり遂げて、相手の人生まで変えるというようなコンサルティングをやりたくて。

お金がないから、結婚もできないし、子供も作れないと悩んでいた人が、

自分がコンサルティングをすることで、結婚もして子供が出来て人生が変わる…というのが理想のイメージでした。その想いは今も変わらないですね。

-元々独立したいと思っていたのですか。

自分で事業をやりたいとは思っていましたが、普通の男性のほとんどが持っている程度です。本音では、社長よりも会社員でいたかったのですが(笑)

お金を稼ぐことはあまり興味がないので。

独立したのは、自分には「開発動機」があり、あとは自分に合うコンセプトの会社がなかったからです。

あとは独立当時、子供が8か月とかで。僕は社会人になってから、コロコロ転職を重ねていたので、子供に恥ずかしい姿を見せたくないなと思って。転職を重ねる方が不安定だなと。

それで、自分の居場所を自分で作っていった感じになります。

-そうだったのですね。

独立した際、たまたま独立の報告をしたら3つの通販企業様から「コンサルに入ってくれよ」とお声がけをいただいて、そのまま今がある感じです。

-そうそう最初にお会いした時は、まだ「nicoせっけん」はなかったですよね。

はい。余談ですが、独立したばかりの頃、寺田さんと川口駅でお会いして、車で行ったら、駐車料金が高くて怒っていましたね(笑)当時は必死だったのですね。

社長をやりたいと思って通販事業が成立する訳ではなく、やはり商品が全てで、商品が良ければ成立すると思うし、また、そういう業界にもしていきたいです。

「開発動機」やコンセプトに共感していただける方を採用していって、最終的には会社を増やしていけたら良いなと思っています。

ありがとうございます。本日は以上になります。

お忙しい中、お時間をいただきまして、ありがとうございました。

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この記事の担当
伊藤 梢
株式会社ニュースター
SEOコンテンツマーケッター
87年生まれ。明治大学卒業後、D2Cを中心としたEC・通販会社のマーケティング支援会社に入社。 2016年フードデリバリー企業に転職し、マーケティング部リーダーを勤める。 結婚、出産を経て2022年4月より株式会社ニュースターSEOコンテンツマーケッター 。

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