通販・EC業界にはどんな企業がある?

2018.9.14  カテゴリ:EC&通販豆知識

通信販売(通販)自体の歴史は古く、日本で通販業界として確立したのは1960年代頃といわれます。2000年以降、インターネットの発達・普及とともに、ECの形態による通販が発展を遂げています。

ECとは、エレクトロニック・コマース(electronic commerce)の略で、日本語では「電子商取引」と訳されます。かつての通販は、新聞・雑誌の広告やカタログ、テレビ・ラジオなどのアナログな媒体を通じて物やサービスを販売していましたが、それに対して、インターネットを通じて行う通販のことを、一般的にECと呼んでいます。つまり、ECは通販を行うための媒体の一つだといえます。
近年ではスマートフォンやタブレット端末などのデバイスが普及し、生まれた時からインターネットが身の回りにあるデジタルネイティブが育ってきたこともあって、さらにECが身近かつ普遍的なものとなっています。

通販は、小売業の一つに位置づけられます。ただし、通常の小売と違って基本的に実店舗は持ちません。店舗に商品を並べて売るのではなく、メディアを通じて商品・サービスの情報を消費者に届け、それを見た消費者が電話やFAX、インターネットなどの通信手段で注文を受け付けるのが通販です。

通販ビジネスの黎明期は、メーカーが自社の製品を通販で直接販売しようとしたり、流通・小売業を営む会社が実店舗以外に新たに販売チャネルを設けようとして通販に進出するケースが主でした。しかし、紙媒体、テレビ・ラジオ、インターネット、それぞれの利用者が増えるにつれて、通販専門の流通会社や、通販で売ることを前提としたメーカーが現れました。また、それら通販業を、媒体制作や受注管理、顧客管理、物流、人材獲得などの面からサポートするさまざまな通販支援会社も登場してきています。

そうした通販・EC業界のプレーヤーを、業態別に見てみましょう。

メーカー系

商品を自社で製造し、卸さずに直接、通販・ECで販売する業態です。もともと一般の流通に乗せいていた商品を同時に通販でも販売しはじめるというケースもあれば、製造〜実店舗での販売までを一貫して自社で行っている企業が通販・ECに手を広げるケースもあります。

また、実店舗で販売せず、通販でのみ販売する通販専門商品を製造するメーカー、その商品だけで成り立っている企業もあります。そのような会社は、自社で制作するカタログやECサイトだけでなく、複数の通販会社を通じて、紙のカタログ、通販番組、通販サイトに商品を展開することが多いです。

メーカー系の会社が取り扱う商品のカテゴリは多岐にわたりますが、アパレル、健康食品、化粧品などの日用消費財、家具・雑貨、PCなどが売り上げ規模では上位に名を連ねます。通販に注力する具体的な企業として、アパレルならファーストリテイリング(ユニクロ)、ワールド、化粧品ではオルビス、ファンケル、ディーエイチシー、家具・雑貨ではニトリ、PCではデル、マウスコンピューターなどが挙げられます。

流通系

リアル店舗を持つ流通・小売企業が、通販・ECにもチャネルを広げるケースです。百貨店・総合スーパー(GMS)のほか、家電量販店・ドラッグストアなどの専門店系がECに参入しています。

百貨店・総合スーパー(GMS)ではイトーヨーカ堂、マルイ、家電量販店ではヨドバシカメラ、上新電機、ドラッグストアではマツモトキヨシなどが通販売り上げで上位にランクインしています。

中でも、ヨドバシカメラは本来、実店舗で売っていたもの以外、書籍(電子書籍含む)や食品などにも商品ラインアップを広げ、東京23区を中心に独自配送の体制づくりにも力を入れており、ネット販売実績ではアマゾンに次いで2位の売り上げを上げています。

カタログ通販・テレビ通販系

インターネットが一般に普及する以前から、紙のカタログやテレビなどを通じて通販を行ってきた企業です。従来の通販で培ったマーチャンダイジング機能と物流システムをそのままネット時代に活かして、自然な形でECにも参入しています。

代表的な企業は、紙のカタログ通販系では、千趣会、ディノス・セシール、ニッセン、ベルーナなどのほか、BtoBを中心とするアスクルなどがカタログ通販系に位置づけられます。また、テレビ通販系ではジャパネットたかた、ジュピターショップチャンネル、QVCジャパンなどもECを並行で行っています。

ECプラットフォーム系

インターネットが一般に普及して以降、インターネットを通じて売ること、すなわちECを前提として通販・EC事業に参入してきた比較的新しい会社たちがあります。

その最たるものが、Amazonでしょう。当初は「ネット書店」という位置づけでしたが、しだいに取り扱う商材を広げていきました。いまやECの売上高はほかのECサイトを大きく引き離し、押しも押されぬトップ企業となっています。

そのほか、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイや、爽快ドラッグとケンコーコムが合併してできたRakuten Directなども、新しい通販・EC企業に位置づけられるでしょう。

また、ダイエット・ボディメイク事業で知られるRIZAPは、ヘルスケア、アパレル、メディア、エンターテインメント企業などを対象に次々とM&Aを行い通販事業に参入しています。

数年前まではソーシャルゲームの会社として知られたCROOZも、今や通販・ECに軸足を移し、ファッション通販をメイン事業にして業界でのシェアを高めています。

通販支援系

このほかに、その会社自身が通販・ECを行うわけではなく、通販・ECをさまざまな面から支援する「通販支援会社」と呼ばれる企業が多数出てきています。

まず大きなところでは、マーケットプレイスを提供する会社。ECモールを運営する楽天やYahoo!ショッピングが代表的です。Amazonも自社で仕入れて販売する以外に通販事業者が出品できるマーケットプレイス機能を兼ね備えており、多数の法人・個人の販売事業者に利用されています。

また、通販・EC会社が自ら簡単にECサイトを構築できるEC会社向けのネットショップ構築サービスも数多くあります。代表的なものは、BASE、STORES.jp、EC-CUBE、テモナなどです。顧客がアクセスするショップが作れるだけでなく、決済サービスや顧客管理、受注管理から物流との連携など、ネットショップの裏側に必要な機能を総合的に提供しているのが特徴です。

そのほかにも、通販・EC会社向けに、広告・マーケティング、CRM、在庫管理など個別の業務支援機能をサービスとして提供する会社や、通販・ECを運営する人材の獲得を支援する会社など、さまざまな「通販支援会社」が存在します。


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